今回は、DellのPCモニター「Dell U2720QとU2720QM」のレビューをお届けします。
U2720QとU2720QMはスペック上の違いはありません。販売ルートが異なる同一スペックの製品です。
付属物が異なり、U2720QにはDisplayPortケーブルが付属、U2720QMにはHDMIケーブルが付属しています。
★5:おすすめ度上位10%:超厳選おすすめモデル
購入をおすすめできるモデルのうち、おすすめ度が上位10%に入る超厳選されたモデルにのみ★5を付与します。★5を獲得したモデルは「おすすめ度上位10%の超厳選おすすめ 「★5」モデル一覧」で確認できます。
★4:おすすめ度上位30%:かなりおすすめ出来るモデル
競合製品と比べてかなり魅力的なモデルです。
★3:購入をおすすめできるモデル
この評価を付けるモニターには「可もなく不可もない普通の製品」「鋭い個性を持つが万人受けしない製品」の2パターンあります。後者の場合はその個性に魅力を感じる人にとっては十分に魅力的なモデルです。
Dell U2720Q/U2720QM は価格的にもスペック的にもセミプロ~プロ仕様の27インチ4Kモニターです。
色域sRGB 99%, DCI-P3 95%, Rec.709 99%で色精度ΔE<2(平均値とのことです)に加え、DisplayHDR400にも対応しています。sRGBとDCI-P3の色空間の切り替えが可能です。
最大90Wの給電可能なUSB-C端子が搭載されており、最大2Aまで給電可能なBC1.2対応のUSB3.0ダウンストリーム端子が2口、最大3Aまで給電可能なUSB-Cダウンストリーム端子が1口搭載されています。多くの周辺機器を接続して使用することの多い制作作業において役立ちます。
価格帯は汎用モニターと比べると最も割高なクラスで、プロ仕様と比べると最も割安なクラスであり、汎用モニターとプロ仕様の中間の位置付けです。
総合評価としては「クリエイター向けモニターとして、セミプロユースであれば選択肢に入るモデル」であると評価します。
総合評価は★3つです。
(本サイトでは、クリエイター向けモニターはすべて★3つで統一しています)
U2720QMはAmazonで、U2720Qは楽天市場とYahooショッピングで購入可能です。新品在庫はかなり少なくなっている様です(2023年11月調べ)
ジャンプできる目次
Dell U2720QとU2720QMの特徴を解説
Dell U2720QとU2720QMのカタログスペックです。色彩面、コントラスト面どちらでも極めて優れたモニターです。さらにモバイルユーザーにとってとても便利なUSB-C端子も搭載しています。USBハブ機能も合計で4口搭載されており価格帯に見合った優れた性能になっています。
メーカー | Dell |
型番 | U2720Q U2720QM |
発売 | 2020年4月 |
画面サイズ | 27インチ |
液晶種類 | 非光沢 IPS |
解像度 | 4K(3840×2160) |
色数 | 10.7億色 |
色域 | sRGB 99% Rec 709 99% DCI-P3 95% ΔE < 2 (平均) |
輝度 | 350 cd/m2 |
コントラスト比 | 1300:1 |
HDR対応 | DisplayHDR400 |
描画速度 | 75Hz, 5ms |
入力端子 | DisplayPort v1.4 × 1 HDMI 2.0 × 1 USB-C × 1 |
USB PD | 90W |
USBハブ (USB-C接続時) | USB-A 3.0×2 USB-A 3.0×1 (2A充電対応) USB-C 3.0 (3A充電対応) |
スタンド機能 | 〇:上下角調整 〇:高さの調整 〇:左右首振り 〇:画面の回転 |
VESAマウント | 〇 |
フリッカーフリー | 〇 |
薄型ベゼル | 〇 |
スピーカー | 非搭載 |
Sync技術 |
主要スペックのみを抜粋表示しています。
より詳細のスペックはDell U2720QとU2720QMのユーザーガイドにて確認してください。
Dellll U2720Q/U2720QMは圧倒的に美しい映像表現が可能な4Kパネルを搭載しています。
U2720Q/U2720QMの色域は
- sRGB 99%
- Rec.709 99%
- DCI-P3 95%
です。このスペックはデスクワークで使われる汎用モニターの域を大きく超え、セミプロ~プロユースにも耐えるスペックです。
また、色差ΔE<2ですので単に色域が広いだけでなく正しい色を表示可能なモニターです。
実機を使ったグラデーションチェック結果です。チェック画像はEIZO社のホームページ(“画質の差”が丸わかり!――液晶ディスプレイの表示チェックをしてみよう | EIZO株式会社)を使用させて頂きました。
無段階のカラーグラデーションチェックでは極めて鮮やかな発色と滑らかなグラデーションが確認できました。
こちらはモノクログラデーションチェックです。とても滑らか&しっかりとしたコントラストです。色かぶりもありません。
Dell U2720QとU2720QMはスペック面でも実機での実力面でもセミプロ~プロユースに耐える実力を持ったモニターです。
Dell U2720QとU2720QMはDisplayHDR400に対応しています。
HDRに対応しているか否かが描画性能に与える寄与はかなり大きく、他のスペックよりも重要であるとも言われています。
もちろん、映像制作などの目的ではHDRをOFFにしたいケースもあるかと思います。
このような場合にはHDR機能はOFFに切り替える事が出来ますので映像制作目的でも使いやすくなっています。
Dell U2720Q/U2720QMには、極めて便利なUSB-C端子が搭載されています。
USB-C端子を利用してモニターとパソコンを接続すると
- ディスプレイポートで接続した時と同等の機能で映像を映し出せる
- ディスプレイからパソコンに電源を供給できるのでノートパソコンの電源ケーブルの接続が不要
- モニターに搭載されたUSB出力ポートが利用可能になる
この機能は極めて便利です。
特にノートパソコンの持ち運びが多い方にとっては、ケーブル1つの接続で電源もUSB機器も一緒につながることでセットアップの手間を大幅に省くことが出来とても快適です。
ただし、USB-C端子があればすべてのパソコンでモニターと接続が可能なわけではない事には注意しましょう。パソコンに搭載されているUSB-C端子がThunderbolt対応もしくはDisplayPort互換モード対応である必要があります。
Dell U2720Q/U2720QMには、USB-C端子以外にも
- ディスプレイポートが1つ
- HDMIポートが1つ
搭載されています。接続端子が複数ありますのでマルチ入力で利用する際にも便利なモニターです。
またUSBハブ機能として、モニター下部にUSB-A 3.0端子が2口、モニター側面に最大2Aの充電可能なUSB-A端子と、最大3A充電可能なUSB-C端子が搭載されています。
これらのUSB端子はパソコンとUSB-C端子で接続したときに利用可能です。
特に側面についている充電対応のUSB-A, USB-C端子はスマホの充電などにも使えて利便性が高いです。
Dell U2720QとU2720QMのユーザーは、「Dell Display Manager」をダウンロードして使用可能です。このソフトウェアはディスプレイの設定をOS上で変更可能にする便利なソフトなのですが、そこに含まれるEasy Arrange機能がとても便利です。
Easy Arrangeを使うと大画面に複数のウィンドウを苦も無くキレイに整列させることが出来るので、マルチウィンドウで作業される方にはとても恩恵の大きいソフトです。特にこのモニターをデスクワークにも使うよ、という方にとっては必須級のソフトウェアだと思います。
Dell U2720QとU2720QMには、画面の位置調整自由度がとても高い高機能スタンドが付属しています。
スタンドの組み立て&本体への取り付け作業はとても簡単です。
Dell U2720QのU2720QMのスタンドは
- 画面の高さの調整
- 画面の上下角の向き調整
- 画面の左右の向き調整
- 画面の水平回転(縦画面化)
が可能です。これにより作業環境やそれぞれの姿勢に合ったポジションに画面を調整出来、快適な姿勢で作業を行うことで疲労を軽減することが出来ます。長時間のパソコン作業をされる方や身体が痛くなりやすいと感じる方には恩恵の大きいスタンドです。
縦画面化も可能ですので、縦長の制作物をよく制作される方にも使いやすいモニターです。
また、U2720QとU2720QMのスタンドはワンタッチで取り外すことが出来、外したところにVESAマウントが搭載されています。ここにモニターアームに取り付けて利用することも可能です。
モニターアームを取り付けると画面の位置調整自由度が高まることに加え、片手で簡単に調節出来るようになります。さらにモニター本体が空中に浮かんだようになりますので、モニター下のスペースを有効活用できることに加え、机に剛的に固定されますので万が一の際にも落下せず安心です。
Dell U2720QとU2720QMには充実の保証が付いています。
保証期間は3年ですが、「1点でもドット抜けがあれば製品交換」の保証と、万が一保証修理が必要になった際には「まず手元に交換品を送付してもらってから修理品を送付すればよい」という良品先出しサービスが付いています。
このモニターは制作作業などに利用される方も多いと思います。
その様な方にとってドット抜けの完全補償が必須のサービスであることは勿論のこと、万が一不良品を引いた時に修理のために手元からモニターが無くなるというのは死活問題ですので、このモニターはその様な方にとって恩恵が大きいモニターであると言えます。
Dell U2720QとU2720QMの総合評価
Dell U2720QとU2720QMを選ぶメリット
- 圧倒的に美しい映像表現の4Kパネル
- ハズレ個体の発生を防ぎ、真の実力を発揮させる出荷時色精度補正
- 極めて便利なUSB-C端子搭載&USBハブ機能
- 大画面を使いこなすDell Display Manager
- 疲労を軽減し、生産性を高めるスタンド搭載
- 充実した保証内容
Dell U2720QとU2720QMを選ぶデメリット
- 汎用モニターと比べると価格が高い
- スピーカーが搭載されていない
Dell U2720Q/U2720QM は価格的にもスペック的にもセミプロ~プロ仕様の27インチ4Kモニターです。
色域sRGB 99%, DCI-P3 95%, Rec.709 99%で色精度ΔE<2(平均値とのことです)に加え、DisplayHDR400にも対応しています。sRGBとDCI-P3の色空間の切り替えが可能です。
最大90Wの給電可能なUSB-C端子が搭載されており、最大2Aまで給電可能なBC1.2対応のUSB3.0ダウンストリーム端子が2口、最大3Aまで給電可能なUSB-Cダウンストリーム端子が1口搭載されています。多くの周辺機器を接続して使用することの多い制作作業において役立ちます。
価格帯は汎用モニターと比べると最も割高なクラスで、プロ仕様と比べると最も割安なクラスであり、汎用モニターとプロ仕様の中間の位置付けです。
総合評価としては「クリエイター向けモニターとして、セミプロユースであれば選択肢に入るモデル」であると評価します。
U2720QMはAmazonで、U2720Qは楽天市場とYahooショッピングで購入可能です。新品在庫はかなり少なくなっている様です(2023年11月調べ)
競合製品との比較
クリエイター向けモニターとして低価格路線のライバル製品です。スペック的にはかなり似た存在です。
こちらのモニターはsRGB 100%, Rec.709 100%カバーしています。USB-Cでの接続も可能です。
PIP(メイン画面の中に小さいサブ画面を表示する機能)、PBP(画面を左右2つに分割し、それぞれ表示する機能)機能も搭載していますので、マルチソースで制作作業をされる方はこちらのモニターも検討してみましょう。
PA279CVを選ぶメリット
- sRGB 100%, Rec. 709 100%とより広い色域をカバーしている
- PIP, PBP機能でマルチソースの同時入力作業が可能
- 価格がやや低め
PA279CVを選ぶデメリット
- USB PDが最大65WとU2720Q/U2720QMと比べると下がる
- USBハブ機能としてUSB-C出力は搭載されていない
デスクワーク目的で使う27インチ4Kモニターをお探しの方にぜひチェックしてもらいたい同一メーカーの競合製品です。
こちらのモニターは色彩面ではsRGB 99%, HDR非対応と一般的なモニター同等のレベルですが、その分だけお買い得な価格帯となっています。
USB-C端子も搭載されており、ウィンドウの自動整列機能(Easy Arrange)も利用可能ですので、デスクワークで利用する上ではU2720Q/U2720QMと比べて見劣りすることはありません。
S2722QCを選ぶメリット
- デスクワークで利用する上では見劣りしない性能で実売価格がより低い
S2722QCを選ぶデメリット
- 色彩、コントラスト面では汎用モニターの標準レベルの性能
- USB PDが最大65Wまでと下がる
- HDRには非対応
Dell U2720QとU2720QMのレビューまとめ
本記事は、Dell社のPCモニター「Dell U2720QとU2720QM」のレビューをお届けしました。
この記事が皆様のモニター選びのお役に立てること、そして皆様が買ってよかったと思えるモニターに出会える事を願っています!
最後までお読みいただきありがとうございました。