皆様こんにちは。タロウです。
今日は「USB-C接続モニターのメリットと失敗しない選び方」について解説します。
これまでパソコンと液晶モニター/ディスプレイとの接続に使われてきた端子は主にDisplayPort、HDMI、DVI、D-subの4種類でした。
最近この仲間にUSB-C端子が加わりました。
そして、USB-C端子は他の端子を圧倒的に引き離す超便利&快適な接続端子になりました。
皆様にもこの利点を知ってもらい、より便利に、快適にパソコンを使ってもらえたらなと思い解説します。

USB-C端子は本当に便利です。一度使うともう元には戻れません!
本記事はこのような人におススメです
- USB-C接続モニターのメリットを知りたい方
- USB-C接続のモニターやケーブルの選び方を知りたい方
- 自分のパソコンがUSB-C接続に対応しているかどうか知りたい方
- おすすめのUSB-C接続対応モニターを知りたい方
ジャンプできる目次
USB-C端子登場でモニターの役割が変わった

これまでは「モニター=映像を映し出す機器」
突然ですが質問です。貴方はPCモニターを何の為に使っていますか?
「映像を映す為に決まってるでしょ。何でそんなこと聞くの?」
と言う声が聞こえてきそうです。
この概念がUSB-C端子の登場によって変わろうとしています。
USB-C接続のモニターは映像も映せるドッキングステーション
USB-C接続のモニターは一台3役をこなせます。
- 映像を映し出す+音声を出力する
- モニターからパソコンに電力を供給出来るので、PCのACアダプター代わりになる
- 外付けキーボードやマウスなどのUSB機器を接続するUSBハブとして使える
一台で三役こなせるだけでも凄いのですが、1番の魅力は
USB-Cケーブルを刺すというワンアクションでこの3つが同時に実現できてしまうことです。
これは特にノートパソコンをお使いの方でパソコンを持ち出す機会の多い方にとって魅力的です。
ACアダプターをカバンから出して繋いだり、複数のUSB機器を差し込んだりする手間が省けますので、セットアップにかかる時間が大幅に短縮されることに加え、パソコン周りのケーブルの取り回しもスッキリします。

外回りの仕事が多い人や、最近増えてきた職場と自宅でハイブリッドワークをする人などにとって特に恩恵が大きいですね
USB-C接続のスペック
少しだけ詳しく知りたい人向けにUSB-C接続のスペックについて解説します。普通に使えればよいという方には不要ですので興味のある方はタブを開いて読んで下さい。
映像出力の能力
パソコンとモニターの接続はどの端子で接続するかによって出力可能な最大解像度やリフレッシュレートが決まります。接続端子の性能順を物凄くざっくり言うと「①DisplayPort > ②HDMI > ③DVI > ④Dsub」となり、性能が高いほど高い解像度で素早い描画が可能です。
USB-C端子は後述するDisplayPort互換モードで動作しますので、HDMIよりも性能のよりDisplayPortと同等の性能となります。この性能は一般的なあらゆるデスクワーク用途にとって十分であることは勿論のこと、一般的なゲーミングモニターでも十分に「使える」スペックです。
電源供給の能力
USB-C接続で供給できる電力はモニターとケーブルのスペックによって異なります。
少ないケースで最大30W程度、多いケースで最大100Wとばらつきがあります。
普通にノートパソコンで作業する分には十分な給電能力ですが、大型やハイスペックなノートPCを利用される方はパソコンの消費電力に対して十分な給電能力を持ったモニターとケーブルを選ぶ必要があります。
USB接続(データ通信)の能力
モニターとパソコン間はUSB 3.1以上の規格で接続されるケースが多くかなりの高速通信が可能です。
キーボードやマウス、ヘッドセット、webカメラなどの周辺機器は勿論のこと外付けハードディスクなどを繋いでも利用可能です。
ただし、モニター側のUSB出力端子がUSB 2.0という罠もありますので注意が必要です。この場合はそのモニター側の端子の性能がボトルネックとなって速度が制約されます。
この場合一般的な周辺機器は利用できますが、大容量通信が必要なハードディスクはちょっと辛いかもしれません。

「便利なのはわかるけど、USB-C端子付きのモニター選びって難しい・・・」
そんな方向けにモニターやケーブルの選び方を解説します。
接続機器選び①分かりにくい専門用語の超解説
USB-Cでパソコンとモニターをつなごうとすると、”USB-C”, “Display Port Alt Mode”, “USB PD”, “Thunderbolt”という専門用語が登場します。
これらの専門用語が機器選びを難しくしているので、なるべく簡単に超解説します。
USB-Cは端子の形状の名前
USB-Cと言う名前は端子の形状の名前です。
下の画像の様な小型でスマートなコネクタです。USB-A端子と異なり、上下の区別なく差込が可能です。
最近はスマホのコネクタもUSB-Cが多くなってきたので見かける機会も増えてきました。


“Display Port Alt Mode”は、USB-C端子でDisplay Port相当の通信をするという意味
USB-C端子には通信で使っていない余っているピンがあります。そのピンを使ってDisplay Port相当の通信をするのが”Display Port Alt Mode”です。”DP Alt Mode”や”DP Alt”などと表記されることもあります。
パソコン側のUSB-C端子、モニター側のUSB-C端子、利用するケーブルの3つすべてをDisplay Port Alt Mode対応でそろえる事でUSB-C接続でモニターに映像と音声を出力することが出来る様になります。
パソコンとモニター、利用するケーブルのうち一つでも”Display Port Alt Mode”に対応していないと映像が映りませんので注意してください。
USB PDとはUSB-C端子経由でノートパソコンに電力を供給する仕組み
PDとは”Power Delivery”の略で、電源供給の意味です。
“DP Alt”と同じように、USB-C端子の余っているピンを使ってモニターからパソコンに電力を供給できます。この機能を利用すると、ノートパソコンのACアダプターは接続する必要がなくなります。
最大何Wまで給電できるかはモニターと使用するケーブルによる決まります。消費電力の大きいノートパソコンをお使いの方は最大給電能力にも着目して選びましょう。
Thunderboltは超ハイスペックな通信規格の名前
ThunderboltにはThunderbolt3と4があります。モニターとつないで使う範疇においては特に区別する必要はないので以降は一括りにThunderboltと表現します。
Thunderboltは超高速な通信が可能な規格で、例えばThunderbolt3の転送速度は最大40Gpbsです。(ケーブルの長さで変わったりします。この記事の本題とずれるのでこれ以上の深追いはしないことにします)
ディスプレイと接続する上でのポイントとしては、
Thunderboltは上で説明した「Display Port Alt Mode」と「USB PD」を標準で搭載している事に加え、USB 3.1と互換性もある、という事です。

Thunderbolt3 = “DP Alt Mode” + “USB 3.1” + “USB PD” です。
つまり、モニターとの接続においてThunderboltは最強です
接続機器選び②規格に対応しているかの確認方法
パソコン側が対応している規格の確認方法
ノートパソコンの場合は、Display Port Alt Modeだけ対応している場合よりも、Thunderbolt対応している場合が多いです。
Thunderbolt対応しているUSB-C端子は端子の付近に稲妻のマークがプリントされていることが多いのですが、すべてのメーカーがそうしているわけではないので、稲妻マークが無い場合カタログで調べる必要があります。
特にMacBook系はほとんどの機種がThunderbolt対応しているのに、稲妻マークのプリントはありません。

カタログのUSB-C端子の説明欄にThunderboltというキーワードが見つかればThunderbolt対応しています。
Thunderboltに対応している場合、”DP Alt Mode”にも”USB 3.1″にも”USB PD”にも対応しています。
以下の様な表記パターンがあるようです
- Thunderbolt3(USB-C)
- USB-C(Thunderbolt対応)
Thunderboltと記載がなくても、”Display Port Alt”や”DP Alt”と書いてあればモニターへの映像+音声出力には利用可能です。またUSBハブとしての機能も有効です。ただし、USB PD機能は利用できません。
Thunderboltとも”Display Port Alt Mode”とも記載がない場合、そのパソコンのUSB-C端子はモニターとの接続には利用できません。
モニター側が対応していることの確認方法
USB-Cが搭載されているモニターの大部分が”Display Port Alt Mode”に対応していますが、ごく一部に非対応のモニターがあります。
カタログを見てUSB-C端子が映像入力に利用可能との記載やUSB-C(Display Port Alt)などと記載があればUSB-C端子による映像入力に対応しています。
USB-C搭載のモニターの中で、”USB PD”に対応しているモニターはおよそ半数位です(2021年12月時点)
供給可能な最大電力がモニターによって違いますので対応状況と合わせてカタログを確認しましょう。
たいていの場合、カタログで大きな紙面を割いて謳っていますのですぐわかります。
機能一覧のページでは「最大〇〇W給電可能」の様に記載されていることが多いです。
ケーブルが対応していることの確認方法
残念ながらケーブル本体を見て確認する方法はありません。購入した際のパッケージを確認するか、品番が分かればその品番でカタログ検索しましょう。

ココがある意味一番の鬼門です。パッケージをなくしてしまうともはや何に対応していたケーブルなのかわからなくなります。給電能力の低いケーブルを無理に使うと事故の元なので、改めて買いなおすのが無難です。
新たにケーブルを購入する場合、パッケージに”DP Alt”や「ビデオ転送」などの記載があるケーブルを購入しましょう。USB PD対応のモニターとつないで利用する場合は、モニターと同等以上の給電能力に対応した製品を選ぶようにしましょう。(〇〇W対応と記載があるはずです)
例えばこのケーブルなら、DP Alt対応&最大100WまでのUSB PDにも対応しています。
王道の組み合わせ
結局のところ、USB-C接続する場合の最も一般的な組み合わせは下記です。
- ノートパソコンに搭載されたThunderbolt対応のUSB-C端子と
- “DP Alt Mode”と”PD”に対応したモニターのUSB-C端子を
- “DP Alt Mode”と”PD”に対応したUSB-Cケーブルでつなぐ

簡単に解説と言ったのに長くなってしまった(汗
USB-C接続可能なおすすめモニター
USB-C接続可能なモニターはまだ数が少なく値段が高い製品も多くあります。
ここでは比較的お求めやすい価格で購入可能なおススメUSB-C端子付きモニターをサイズ×解像度別に紹介します。
24インチフルハイビジョン
JAPANNEXT JN-IPS2380FHDR-C
比較的お求めやすい価格の23.8インチフルHDモニターです。
価格を抑えるためにシンプル設計となっており、USBハブ機能は省略されています。一方でパネルのスペックなどは一般的なモニターと同等水準をしっかり確保していますのでモニターとしての機能は十分です。

気になるデメリットとしては給電能力が15Wとやや低めと言うところです。普通のA4ノートでデスクワークをする位までなら実用に耐えると思います。それ以上の大型ノートPCの方は消費電力と相談になりますね。
費用を抑えつつもUSB-C接続の恩恵を享受したい方にはおすすめのモニターです。

JN-IPS2380FHDR-CはAmazonでも楽天市場でもYahooショッピングでも購入可能です。価格面ではAmazonが最もお買い得でした。(2023年1月調べ)
LG 24BL650C-BAJP
USB-C接続可能なモニターとしては一般的な価格帯の23.8インチフルHDモニターです。
最大45WまでのUSB PDに対応しており、USBハブとしてもUSB3.0の出力端子が2口搭載されています。USB-C接続の恩恵を最大限に受ける事が可能なスペックです。
また、サイズやパネルスペックとしてもテレワーク目的にちょうど良いスペックだと思います。

同等スペックの競合製品と比較すると価格は抑えられている方ですので、このサイズ×解像度のモニターでUSB-C接続の恩恵を最大限享受したい方にはおすすめのモニターです。

24BL650C-BAJPはAmazonでも楽天市場でもYahooショッピングでも購入可能です。価格面ではAmazonが最もお買い得でした。(2023年1月調べ)
24インチQHD
LG 24QP750-B
このサイズ×解像度でUSB-C接続可能なモニターの中では最もお求めやすい価格帯のモニターです。
価格帯は低めですが、搭載されている機能は充実しています。最大65WまでのUSB PD機能、USB3.0×2口のハブ機能(USB-C接続した場合にはUSB2.0動作になるとのことです)に加え、稼働箇所の多い高機能スタンドも付属しています。

価格の割には充実のスペックでとてもお買い得なモニターなのですが、気になるポイントとしてはPCとモニターをUSB-C接続するとモニター側のUSB出力端子がUSB2.0として動作する(技術的理由は不明ですが、その様な仕様とのことです)ため、USBハブ機能は外付けメモリなどの仕様には向かないことが挙げられます。
USBハブ機能として接続するのがキーボードやマウス、音声デバイス程度と言う方には問題なくご利用いただけると思います。
解像度高めの24インチモニターでUSB-C接続したい!と言う方におすすめのモニターです。

LG 24QP750-BはAmazonでも楽天市場でもYahooショッピングでも購入可能です。価格面ではAmazonが最もお買い得でした。(2023年1月調べ)
27インチFHD
PHILIPS 273B9/11
高機能&低価格を実現したUSB-C接続可能な27インチフルHDモニターです。
最大65Wまで給電可能なUSB PD機能、USB 3.2×4口(スマホなどの急速充電にも対応)と極めて充実したUSBハブ機能が搭載されています。
パネルスペックは一般的なデスクワーク向けモニターと同等です。このモニターにはスピーカーも搭載されています。このモニターには特に気になるデメリットは見当たりません。

PHILIPS 273B9/11は楽天市場でもYahooショッピングでも購入可能です。取扱店舗間での価格差が大きいようですので最安のお店を慎重に探すと良いですね(2023年1月調べ)
27インチQHD
JAPANNEXT JN-IPS27WQHDR-C65W
27インチQHD解像度でUSB-C接続可能なモニターの中でも最安クラスの価格帯のモニターです。
最安クラスの価格帯にも関わらず、最大65Wまでの給電機能とUSB(2or3は不明)×2口のUSBハブ機能を搭載しています。スピーカーも搭載しています。
パネルスペックとしては特に優れたところはありませんが、大きく劣ったところもありません。

このモニターの価格の安さはメーカーとして名が売れていないというところにも起因していると思われます。JAPANNEXT社は余り名前は売れていませんが、れっきとした国内のメーカーですのでその点では安心です。
27インチQHDモニターを欲しい!でも予算は抑え目で!と言う方には一押しのディスプレイです。

JN-IPS27WQHDR-C65WはAmazonでも楽天市場でもYahooショッピングでも購入可能です。価格面ではAmazonが最もお買い得でした。Yahooショッピング内に1店舗だけAmazonと同価格のお店がありました。(2023年1月調べ)
Dell S2722DC
27インチQHDでUSB-C接続可能なモニターの中ではややお買い得な価格帯のモニターです。
最大65Wまで給電可能なUSB PD機能、USB 3.2出力×2口を搭載しています。(一口は画面の裏側、もう1口は画面の下側にあります)
このサイズ×解像度は広いデスクトップ領域と文字の読みやすさを両立できるので、デスクワーク向けとしてとても使い勝手が良いモニターです。

主にデスクワーク向けにUSB-C接続可能な大型モニターを探している方にはおすすめ出来るモニターです。

S2722DCはAmazonでも楽天市場でもYahooショッピングでも購入可能です。価格面ではAmazonが最もお買い得でした。(2023年1月調べ)
27インチ4K
Dell S2722QC
27インチ4Kモニターの中でUSB-C接続と言ったらこれでしょ!と言うほどコストパフォーマンスに秀でたモニターです。
私はこのモニターを2枚購入して自宅と実家それぞれで利用してます。
最大65Wまで給電可能なUSB PD機能、USB 3.2出力×2口を搭載しています。

価格面でもスペック面でも欠点らしい欠点はないのですが、27インチ4Kモニターでデスクワークをすると文字が小さくなりすぎるというデメリットがあります。(老眼入っている人には辛いかも?)その点が気になる方は上で紹介しているS2722DCも考慮に入れると良いでしょう。

S2722QCはAmazonでも楽天市場でもYahooショッピングでも購入可能です。価格面ではAmazonが最もお買い得でした。(2023年1月調べ)
Dell U2720QM
圧倒的な映像の美しさを誇る極めて描画能力の高い27インチ4Kモニターです。
DCI-P3 95%と極めて広い色域、DisplayHDR400対応の高いコントラスト表現能力が極めて緻密な4Kの映像をさらに美しく見せます。
最大90Wまで給電可能なUSB PD機能とUSB3.0出力×3口、さらにスマホなどの充電に使える充電専用のUSB-C出力×1口が搭載されています。

映像の美しさにこだわってモニターを選びたい、と言う方には有力な選択肢となるモニターです。

U2720QMはAmazon限定モデルです
【解説】USB-C端子付きのモニターのメリットと選び方まとめ
大分長くなってしまいましたが・・・
本日は「【解説】USB-C端子付きのモニターのメリットと選び方」をお届けしました。この記事を参考にUSB-C端子搭載のモニターやケーブルを選んで頂ければ失敗なく超便利&快適な環境を得られると思います!
最後までお読みいただきありがとうございました。